(それとは別に外にあるトイレに入るためには牢屋の鍵が必要だ)
私の持っていない銀の鍵は銅の鍵の上についている錠前を開けるのに必要なのだが、普段は使われておらず開け放しのため特に困ることはないのだ。だから特に困ることは無いはずだったのに!
建物に入るとすぐスタジオの扉だ。通称「下の鍵」を開ける。手持ちの銅の鍵を使えばOK。「もちもの」から「どうのかぎ」を選んでAボタン。あるいは「とびら」コマンドを使う。(それにしても初期RPGの「とびら」コマンドほど無駄なコマンドはない。かつて「はなす」や「しらべる」と同列に並んでいたなんて実に滑稽である。扉を開けるだけなのに。しかしながら!その「とびら」で鍵を開けることにさえ俺達は喜びを感じていたのさ)
だがしかし扉はその重厚な佇まいをもって小さな私の曲がった背中の上にのしかかるかのような侮蔑のプレッシャーでさらに私の曲がった背中を抑えつけ拒否・跳ね除けたのだった。要するに開かない。いかん上の鍵が閉まっているのだ!
(以下回想)
首だけ回してじっと扉を観る私。これはきっと霊的な現象に違いない。そう、時々そのような直感が私を襲うのだ。間違いない。ラップ現象だ。ラップ現象の鍵版だ。
すると扉の向こうからいたずらっ子の霊がそろーりと登場。
霊は電力会社のユニフォームを着たおばさんの霊でした。霊はそのまま部屋をすすすーと通りぬけ奥の機械室へ消えていった。
奥の電気メーターのチェック中の事故死でした。仕事にとにかくまっすぐ向き合っていた真面目でやさしいおばさんでしたから、電気メーターをチェックするという役目を志半ばで断念、というか感電して白骨化。(感電して白骨化というのは、マンガで感電した人を表現する際に骨が透けて見えるため、「感電死」=「骨が見える」=「白骨化」と実に稚拙な紐付けで、大した考えなしに書かれているという事実を如実に現す情けない表現である)。今も諦めきれず月に1回程度現れては電気メーターをチェックするという。
さてその霊、ご丁寧にも霊の力でいつもは使われていない上の鍵まで閉めて出て行った。
その時俺はスタジオ内にいたから中から鍵を開けられたのでよかったが、もしスタジオに入る前だったら、と考えると背筋が凍る思いだった・・・・
というわけでいかんともしがたいため、めそめそ泣きながらおとなしく去る、チャリンコ乗りながら買った缶コーヒーを飲んだら手にこぼれて、「涙が茶色くなったまたしても心霊現象だおーいおーい」と喚きながら帰宅。ほんまNANGIやで!!